写凡珠

ニコン Z6 と Z50 で京都を撮っています。しゃぼんだま、と読みます。

腰にやさしいマクロ撮影を望遠ズーム NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR と接写リング Fotodiox MTA-NKZ35 で楽しむ

Crape Myrtle (百日紅)

写真撮影の楽しみ方の一つとして、被写体に思いっきり寄って花や昆虫などの小さなものを大きく撮る、いわゆるマクロ撮影というのがあります。

このマクロ撮影にはとても魅力を感じていて、過去には様々なマウントの様々なマクロレンズを使ってきました。

 しかし、どのメーカーのどのマクロレンズを使う場合でも変わらない共通した大きな悩みがありました。それはレンズの撮影倍率が最も大きくなる時の撮影距離が固定であるため、被写体を大きく写したまま、理想の構図を模索するとカメラとレンズを難しい位置に配置することが求められ、場合によっては腰に負担がかかることもある、ということです。

一般的なマクロレンズ単焦点で最短撮影距離は固定のため、これは仕方のないことかと考えていたのですが、あるとき閃きました。

焦点距離を変えることのできるズームレンズに接写リング(マクロエクステンションチューブ)を組み合わせれば、マクロレンズ並みの撮影倍率を得つつズームによって最短撮影距離を変えることが出来るのではないか?

Fotodiox の MTA-NKZ35 という 35mm の厚さを持つ接写リングが発売されましたので、Extension Tube Calculator というサイトで、NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR の各焦点距離について、接写リング 35mm に対しての最短撮影距離、最長撮影距離、最大撮影倍率、最小撮影倍率を計算してみました。撮影倍率は APS-C のクロップ係数 1.5 を掛けてフルサイズ換算にしています。

焦点距離 接写リングなし 35mm接写リングあり(理論値)
最短撮影距離 最大撮影倍率(理論値) 最短撮影距離 最大撮影倍率 最長撮影距離 最小撮影倍率
50mm 50cm 0.167 11.2cm 1.25 12.1cm 1.07
70mm 52cm 0.156 17.7cm 1.0 21.0cm 0.75
100mm 58cm 0.313 27.9cm 0.833 38.6cm 0.518
135mm 65cm 0.390 39.4cm 0.790 65.6cm 0.385
200mm 83cm 0.469 60.6cm 0.750 130cm 0.263
250mm 100cm 0.50 77.8cm 0.714 200cm 0.211

焦点距離50mm, 70mm だと撮影距離がレンズ+接写リングの長さより短くなってしまい、フォーカスの合う場所が無くなってしまうので、使用する焦点距離は 100-250mm に限定する必要があります。

それでもフォーカスモードをMF(マニュアルフォーカス)に設定し、フォーカス面を最も近くして焦点距離をズームで変化させると焦点距離 100mm → 250mm にたいして撮影倍率 0.833 → 0.714、撮影距離 27.9 cm→ 77.8 cm となり撮影倍率をあまり落とさずに撮影距離を大きく変化させることが出来ます。

この計算結果はあくまで理論値であって、実際のレンズと接写リングで同じ結果が出る保証は無いようですが、Fotodiox MTA-NKZ35 を入手して Z50 と NIKKOR Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR の間に取り付けて撮影を試してみたところ、確かに撮影倍率をあまり落とさずにズームで撮影距離を変えることが出来るようでした。

上の百日紅の写真はこの装備で撮ったものです。撮影してみて分かったのですが、フォーカス位置を最短に固定していてもズームリングを回して焦点距離と撮影距離を変えることでピント合わせも出来ます。レンズを前後させなくてよい腰にやさしいマクロ撮影装備の完成です。

この組み合わせの場合、専用のマクロレンズに比べると開放F値が大きいという問題があります。しかし近接撮影の場合、フォーカス範囲が極めて狭くなり、どのみち絞ってF値を上げることになりますのでそれほど気になりません。

専用のマクロレンズなら得られる撮影倍率1.0に達していない、という問題もありますが、元々先述の撮影距離が固定の問題もあり、専用のマクロレンズでは撮影倍率が最大になるように撮るのが難しいのでそれほど気になりません

他には、接写リングを付けている間は、遠くにフォーカス面を合わせることができず、マクロ撮影しかできないという問題がありますが、他のカメラとレンズ(私の場合は例えば Z6 と NIKKOR Z 24-70mm f/4 S)を一緒に持ち出せば気になりません。必要ならば接写リングをとり外す事も出来ます。

接写リングを付けることによる画質劣化ももしかしたらあるのかもしれませんが、マクロ撮影の場合、画面のほとんどがボケになってしまうこともあり、今のところはそれほど気になってはいません。

何にも増して、元々汎用性の高い望遠ズームレンズに一万円強程度の追加出費をするだけでマクロ撮影も楽しめる、という金銭面のメリットが大きいですね。

引き続きこの組み合わせでいろいろなマクロ撮影を楽しみたいと思います。

以上、何かの参考になれば幸いです。