去年の9月に NIKKOR Z 28mm f/2.8 を手に入れ、その後約半年後の今年3月に NIKKOR Z 26mm f/2.8 に買い替えました。
スペックの近いこの二つのレンズの両方について、撮影を重ね、違いが体験として分かってきましたので記事に書き記したいと思います。
二つのレンズの間で迷っている方の参考になれば幸いです。
写りのシャープさでは NIKKOR Z 26mm f/2.8 が優れている
NIKKOR Z 28mm f/2.8 の方は開放周辺でもそれほど悪いわけでもないですがシャープな絵を出したいなら f/4 ~ f/5.6 ぐらいまで絞る必要があります。
NIKKOR Z 26mm f/2.8 の方は開放の f/2.8 からパキっとした高精細な写りで シャープさで優れています。
薄さでも NIKKOR Z 26mm f/2.8 が優れている
NIKKOR Z 26mm f/2.8 の方は厚さ 2.35 cm に対して NIKKOR Z 28mm f/2.8 の方は厚さ 4.3 cm あります。NIKKOR Z 28mm f/2.8 の 4.3 cm でも十分小さいのですが、NIKKOR Z 26mm f/2.8 の 2.35 cm ぐらいになると、フルサイズのカメラである Z 7II でも取り回しが極めて良くなって撮影体験がコンデジやスマホに近づいてくるのを感じます。
ただしこの 26mm の薄さは、レンズフードを付けるとスポイルされてしまうのでその点は要注意です。私は薄さ重視でレンズフードは付けずにレンズキャップだけを付ける運用です。
フォーカスブリージングとモーター音が控えめで動画向きの NIKKOR 28mm f/2.8
上のように写りのシャープさと薄さで優れる NIKKOR Z 26mm f/2.8 ですがフォーカス面が動くのに合わせて画角も変わってしまう、いわゆる「フォーカスブリージング」が顕著に見られます。このレンズはさらにフォーカス面の移動に伴ってモーター音がジーコと聞こえてきます。これらの難点から NIKKOR Z 26mm f/2.8 はあまり動画撮影には向きません。
一方で NIKKOR 28mm f/2.8 の方はフォーカスブリージングもモーター音も抑制されていますので、こちらの方は動画向きです。
NIKKOR 28mm f/2.8 の方がお値段リーズナブル
この記事を書いている 2023/05/07 時点で NIKKOR Z 28mm f/2.8 の価格コム最安値は 31,800 円で、NIKKOR Z 26mm f/2.8 の方は 62,000 円です。NIKKOR Z 28mm f/2.8 の方がお値段リーズナブルでその差額は約3万円です。
金属製の NIKKOR 26mm f/2.8 とプラスチック製の NIKKOR Z 28mm f/2.8
NIKKOR Z 26mm f/2.8 は鏡筒とマウントの取り付け部分が金属製で NIKKOR Z 28mm f/2.8 の方はどちらもプラスチック製です。
プラスチックだからと言って強度などで特に不安があるわけでもないようですが材質の質感では金属を好まれる向きもあるでしょう。
画角は 26mm の方が広いけどそれほど違わない
仕様によると NIKKOR Z 26mm f/2.8 の画角は 79°、NIKKOR Z 28mm f/2.8 の画角は 75°(どちらもフルサイズセンサーの対角部分)です。26mm の方が広いですが、強く意識するほどの違いではないと思います。
最大撮影倍率は 0.19, 0.20 でほぼ一緒
最大撮影倍率は NIKKOR Z 26mm f/2.8 の方が 0.19 で、NIKKOR Z 28mm f/2.8 は 0.2 でほとんど一緒です。軽く花を撮るのを楽しむ程度には寄れます。
どちらも防塵・防滴に配慮した設計
NIKKOR Z 26mm f/2.8 も NIKKOR Z 28mm f/2.8 もメーカーホームページには「防塵・防滴に配慮した設計」との記載があり、雨の日でも撮影に持ち出せます。
どちらも軽量
重量については NIKKOR Z 26mm f/2.8 は約 125g で NIKKOR Z 28mm f/2.8 は約 155g となりどちらも軽量です。
以上のまとめ
NIKKOR Z 28mm f/2.8 がおススメな方
- 写真(静止画)より動画重視な方
- より安いレンズを求められる方
NIKKOR Z 26mm f/2.8 がおススメな方
- 動画より写真(静止画)重視な方
- シャープな写り、レンズの薄さ、金属素材などの強味に差額の3万円を出せる方
私は NIKKOR 26mm f/2.8 の「シャープな写り、レンズの薄さ」に差額3万円以上の価値があると思ったのでこの買い替えは正解でした。
特にフルサイズのカメラでもコンデジやスマホに近いハンドリングで撮影できる薄さは他では得られない価値があると思います。
検討される方の重視するものに合わせて判断いただくのが良いと思います。