富士フィルムのカメラを使い始めたのが2016年頭なので、もうすでに4年が経過したことになります。XマウントのXFレンズに関しては13本を使用したことがあり、今手元に残っているのがそのうちの9本になります。組み合わせて使ってきたボディは X-T10, X-T2, X-H1, X-E3 で今は X-H1 と X-E3 が手元に残っています。
この13本について、その特徴が表れていると思う写真を挙げると共に、実際に使ってみて思ったことも書いてみようと思います。厳密なレビューではないですが、何か参考になるところがもしあれば幸いです。
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
このレンズと X-T10 の組み合わせが私の富士フィルム利用のスタートでした。当時、コンパクトさと画質、被写界深度の浅さ、などを目当てにマイクロフォーサーズの 2.8 通しズームを検討していたのですが、もしかしたらこのレンズで十分賄えるのではないかと考え X-T10 とセットで手に入れました。
撮影を始めてみると、そのコンパクトさにも関わらず期待以上の写りをしてくれました。このレンズの印象がとてもよかったので、結局、その後富士フィルムの沼にずぶずぶとはまりこんでいくことになりました。
絞れば解像感が高く、小型ズームの割には被写界深度のコントロールも少しは可能、手振れ補正付き、と便利なポイントが多いです。不満は防塵防滴がないことぐらいでしょうか?
XF35mmF2 R WR
防塵防滴が付いていてコンパクト、画角が52mm相当で使いやすい、ということで気軽に持ち出して、気軽に撮れる良いレンズです。
解像度が高くて色乗りも良い、今風の写りをするレンズです。平面を撮るなら下の XF35mmF1.4 R よりこちらが良いです。
XF35mmF1.4 R
上の XF35mmF2 R WR と同じ 52mm 相当の標準レンズなのですが、こちらは被写界深度が浅く、ボケのつながりが美しい、奥行を表現できるレンズですね。
ほんのりとしたにじみもあるので、ポートレートにはこっちが向いていると思います。
夜景をアウトフォーカス目で撮ってもボケの形が崩れにくいのでちゃんと絵として成立するのが個人的に評価しているポイントです
XF23mmF1.4 R
このレンズで撮った家族写真が多く、一番思い入れがあるレンズかもしれません。
スナップでも使いやすいレンズです。
35mm相当の使いやすい画角、被写界深度のコントロールの幅、絞り開放の柔らかさ、絞った時のシャープさ、と文句なしのレンズですね。
同じ画角のレンズを内蔵した X100F も所有しているのですが、この XF23mmF1.4 R は手放せないです。
XF16-55mmF2.8 R LM WR
F2.8通しのズームレンズにはどのレンズメーカーも力を入れており、「単焦点レンズに匹敵するズーム」という謳い文句が添えられることも良くあります。富士フィルムのXF16-55mmF2.8 R LM WR はそうした競合の中でも高い評価がされているようです。
実際に使ってみると、高い解像感を持ちつつも、線の細い表現、F2.8での被写界深度浅めの表現、も可能です。画角のレンジが24mm相当から85mm相当までのスイートスポットをカバーしているので、撮影地について前知識があまりないときでも安心して持ち出せます。
サイズが大きいのと手振れ補正が無いのが弱点ですね。ただし手振れ補正は X-H1 や X-T4 のボディ側手振れ補正で補えますので、これらのボディ側手振れ補正のあるボディとコンビで使うのがお勧めです。
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
300mm相当までカバーしている望遠ズームです。それほど大きくなくて、お値段もお手頃、なので富士フィルムの望遠ズームの中ではこれを選びました。解像度は十分高いですね、手振れ補正もついています。背景との距離次第ではリングボケが出やすいのと防塵防滴が無いことが残念ですね。
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
待ちに待った X マウントの等倍マクロです。純正の等倍マクロレンズはこれ一本しかないです。写り面では申し分ないですが、レンズの大きさと 120mm 相当の画角の狭さが悩ましいところです。このレンズを使うときは X100F とセットで持ち出すことで補うようにしています。
XF50mmF2 R WR
画角が中望遠に属することを除けば、性質的には XF35mmF2 R WR に似ていますね。防塵防滴かつコンパクトで持ち出しやすく、奥行より平面を表現する解像感の高いレンズ。サクサクとスナップを撮るのに使いますが、人物を撮るとき、開放でバストアップなら十分背景はボケるのでガチではないポートレートにも使えます。
XF60mmF2.4 R Macro
Xマウントの初期のレンズあるあるなのですが、パキパキに解像するのではないものの、細い線がきれいに出る上品な解像感がありますね。
マクロとしてみると XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro に撮影倍率で負けて、取り回しだと防塵防滴のある XF50mmF2 R WR に負けるので、自分の所有レンズ群の中ではあまり出番がなかったりします。
手放してしまった XF レンズ達
XF27mmF2.8
パンケーキでコンパクト、画角が 41mm 相当で使いやすい、高解像、とスナップ向けのいいレンズだったのですが、手持ち装備の中だと防塵防滴のある XF35mmF2 R WR やレンズボディ一体型の X100F と棲み分けが難しく、現在は手放しています。
XF56mmF1.2 R
被写界深度の浅い、明るい中望遠単焦点レンズ。ボケ目当てで、いまでもたまに買い戻そうと思う時があります。中望遠単焦点レンズとしてはコンパクトさと防塵防滴を重視して XF50mmF2 R WR で置き換えました。
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
オリンパスの M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO にすっかりお株を奪われた感がありますが、富士フィルムの XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR もよく写る高倍率ズームとして評判が高いです。実際使ってみても、絞ればなかなかよく写る印象だったのですが、これ一本だけで撮っていると撮り方が発展しないので手放しました。
XF10-24mmF4 R OIS
15mm相当から36mm相当までカバーする超広角ズーム。レンズの性能面ではとくに不満は無かったのですが、個人的には超広角の画角は不要だと気づいて手放しました。(私の撮影では)最も広くても24mm相当があれば十分、ということに気づくまでずいぶん時間がかかってしまいました…