写凡珠

ニコン Z f で京都を中心とした関西の風景を撮っています。しゃぼんだま、と読みます。

ニコン Z6 と Z50 は季節の移ろいが撮れるカメラ

ニコン Z6 と Z50 を使い始めて5か月が経ちました。前回レンズについて書きましたが今回はカメラで撮れるJPEGの色、絵作りについて思ったことを書いてみようと思います。

自分が所有している Z6 と Z50 での撮影経験に基づいて書きますが、同じ画像処理エンジンである Expeed 6 を使っている Z7, D780, Z5, Z6II, Z7II についてもおそらくは同様の傾向があるものと思われます。

以降、あくまで趣味で写真を撮っている個人の主観による一意見ということでご承知おきください。

被写体を肉眼で見た時に近い印象の色で撮れる

宝ヶ池周辺

世の中で「色がいい」と言われるカメラの中には、「記憶色」の名の下に良い印象で写真が残るようにあえて色味を変えてしまうものもあります。設計思想の一つとしてはアリだと思うのですが、被写体を美しいと思って撮ってはみたものの、勝手に違う解釈で撮られてしまい、結果違和感を感じる仕上がりになることもあり個人的には苦手に感じる部分もありました。

ニコン機の場合はカメラ側で勝手に変えてしまう部分は少なめで、肉眼で見た時に近い印象で撮れて、さわやかなものはさわやかに、しぶいものはしぶく素直に写る印象です。

(個人的な撮影経験と印象からの話であって、カラーサイエンスから厳密にはどうなのかは評価するような力はないですが…)

自然の美しさ、変化を見つけ出すのが楽しくなる

秋の寸景

被写体が写真の結果に及ぼす影響が大きいためか、ニコンZで撮影をしていると自然の風景の中の美しさ、変化を見つけ出すのが面白くなってきます。

梅雨のころにニコンZを使い始めて、夏、秋と撮ってきたのですが、四季の変化が確かに写真の中に記録されるような気がして、この先、冬、春と撮影していくのがいまから楽しみです。

逆に、魅力的ではないではないものは魅力的ではないように写る、という側面もあるかもしれなくて、撮影者の技量が試される怖さもあるわけですが…

私はガチの風景写真家ではないですが、風景写真向きのカメラなのだろうな、と思います。

ピクチャーコントロール・オートがやりすぎない程度のメリハリを効かせてくれる

善峯寺の秋

具体的な設定の話をするとピクチャーコントロールのオートという設定があります。このオートが優秀で、写真のトーンをやりすぎの手前ぐらいにパンチの効いたものに仕上げてくれます。もうちょっと控えめが好みなので、最近は風景も人物もこれをベースにコントラスト -1、彩度 -1 で撮っています。この設定でちょうどいい仕上がりになってほとんど手を加えることがないです。

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デジタルカメラがアドバンストシーン認識システムで得た高精度な被写体情報を基に、 ピクチャーコントロール「スタンダード」をベースとして、色合いや階調を自動的に調整する機能です。 この機能により人物撮影時には肌をより柔らかく、風景撮影時には青空や木々の緑を鮮やかに描写でき、 連続撮影などで撮影した大量の画像も統一感のある仕上がりになります。

 

朝日、夕日、西日の赤さ、曇天の青色さを再現してくれるホワイトバランス自然光オート

秋晴れ西日の吉田神社界隈

自然の変化というと、自然光、太陽光についても朝から夜まで時間とともに変化し、晴れ、曇り、雨といった天候に対しても変化していくものですが、この変化を表現してくれるのがホワイトバランス自然光オートという設定です。このブログで公開しているような写真は基本この設定にして撮っています。(ただし室内の人工光源下の場合は A2 に切り替えます。)

太陽の高さを意識しながら撮るのが非常に楽しいです。

search.nikon-image.com

D850 や Z シリーズに搭載のホワイトバランス「自然光オート」は、制御すべき光源を自然光に限定し、自然光でのオートホワイトバランスの精度を向上したホワイトバランスです。
屋外撮影時に晴天日陰や晴天、曇天などホワイトバランスをシーンごとに変更することなく、自然光下でより適切なホワイトバランスが得られるため、AUTO(オート)より見た目に近い色味で撮影できます。
光の条件の変化に即したホワイトバランスで、紅葉や夕焼けなどがより印象的な画像に仕上がります。

 高精細だけどやりすぎないシャープネス

善峯寺の秋

歴史的にニコンのカメラやレンズは高精細な写りをするとよく言われます。ニコンZは確かに高精細な写りをするのですが、等倍で見ても変な輪郭や模様などは出ない、自然なシャープさがあります。

ニコンZのピクチャーコントロールには「輪郭強調」「ミドルレンジシャープ」「明瞭度」と三つもシャープネスに関するパラメーターがあります。このきめ細かい仕上げがやりすぎないちょうどいいシャープさを生んでいるのかもしれません。

私の場合は基本的にシャープネスのパラメーターはデフォルトの 0 で、高精細さを強調したい場合にたまにクイックシャープを +1 にする程度です。

フルサイズの Z6 と APS-C の Z50 で絵作りに一貫性がある

詩仙堂 丈山寺

ニコンZで撮っていて地味にすごい事だと思うのは、同じ撮影行にフルサイズの Z6 とAPS-C の Z50 を持ち出して撮れた写真を混ぜて並べたとしても、設定値さえ揃えていれば違和感なく一連のものとして眺められる仕上がりになることです。

もちろんセンサーサイズの違いはあるので、細かく見ていくとダイナミックレンジや高精細さ、高感度耐性で違いというのはあるわけですが、自分の審美眼(節穴だったらごめんなさい)の範囲では一連のものとして並べることに抵抗がないレベルの仕上がりにはなっています。

望遠域をフルサイズで撮るのはレンズの大きさから考えて私にはちょっと無理なので、二台持ちで標準域をフルサイズの Z6 で撮りつつも望遠域だけ APS-C の Z50 に任せられるのは非常にありがたいです。

家族写真の人物撮りもカメラ任せで OK

このブログには写真を載せてはいないのですが、家族の人物写真もカメラ任せで満足する写りです。さわやかな写真を残していけると思います。

設定値の参考情報が欲しい方向けに私の設定を軽く書いておくと、マルチパターン測光の顔・瞳認識ONで露出を顔に合わせた上で、ホワイトバランスは白優先の A0 にしています。ピクチャーコントロールは上のとおりオートのコントラスト-1彩度-1、アクティブDライティングもオートです。

家族写真の範疇でしか撮っていないので、ガチのポートレートでどうなのかはちょっとコメントできないです。

クリエイティブピクチャーコントロールで仕上げの演出も楽しめる

Passer-By

オートで風景を自然な仕上がりで撮る、ということにハマってしまって最近はなかなか触れていないのですが、ニコンZには20種類ものクリエイティブピクチャーコントロールがあるので、これで写真の仕上げを演出することを楽しむこともできます。最近よく聞くカラーグレーディングの一種でしょうか。

写真の仕上げをコントロールする機能としてカメラの世界で有名なものとして、オリンパス機にはアートフィルター、富士フイルム機にはフィルムシミュレーションという機能があります。アートフィルターは人為的な演出の度合いが強く、フィルムシミュレーションは素材を活かす度合いが強いと思います。この軸でいうとクリエイティブピクチャーコントロールは二者の中間ぐらいに位置する機能かな、と思います。

search.nikon-image.com

無料で使えるRAW現像ソフトが充実している

Passer-By

Lycoris radiata

ニコンは純正で Capture NX-D というRAW現像ソフトを無料で提供しています。また Phase One の RAW 現像ソフト Capture One にはニコン機向けに無料で使える機能限定の Express 版があります。

ニコン機で無料で気軽に使えるものとして上の二つを挙げましたが、もちろん 有料の Capture One、LightroomSilkypix、機種を問わず無料の RAW Therapee, Darktable といった選択肢もあります。)

www.nikon-image.com

www.captureone.com

ニコン機は元の色が素直なので RAW 現像でも調整しやすい、という話もあるようですね。

また、カメラの設定の範囲で現像するとしても、パソコンにデータを取り込んだ後にも純正の NX-D でカメラ内と同等にRAW現像できるのは便利です。

以上、ニコンZの魅力が少しでも伝われば幸いです。

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