写凡珠

ニコン Z f で京都を中心とした関西の風景を撮っています。しゃぼんだま、と読みます。

無題カルテット #229

カメラ界隈でよく言われる「レンズは絞り開放で撮れ」について、「必要に応じて絞ったらいいんじゃないか」と思い、今一つ腑に落ちないところがありました。

しかし、レンズと言うのは絞り開放に合わせてまず光学設計がなされ、それが値段や重量に現れているわけで、絞り開放で撮らないと支払った金額やもち運びの労力の元を取れないという見方は確かにあると思います。

特に最近のレンズでは絞り開放での周辺画質の劣化は、フレーバーとみなせるような許容範囲内にあります。絞り開放時の周辺光量落ちについては演出扱いでも補正してもいいでしょう。カメラの AF 性能が良くなってフォーカス外れの保険で絞る必要もなくなりました。

(現実問題として絞らないと描写の個性が強すぎるレンズや、焦点距離と被写体との距離次第では被写界深度が浅すぎる状況はありますので、100% 無条件で開放がよいというわけではないですが)

F2.8 に絞るなら最初から F2.8 のレンズにしておいた方が安くて軽いよね、ということで開放F値そのものが大きくても良くなったとも言えます。

最近だとカメラのボディ側手振れ補正+スローシャッターや高感度のノイズ耐性でレンズ側の F 値の不足を補えるようになった側面もありますので開放F値を小さくする動機も弱くなりました。

以上を踏まえて、激しい動体や低照度環境等の厳しい条件での撮影がほとんどなく、基本的に散歩写真、家族写真しか撮らない自分の場合、今後は単焦点は F2 ~ 2.8、ズームは F4 通し ~ 可変F値ぐらいでも全然困らないだろうなという結論になりました。