写凡珠

ニコン Z 7II で京都を撮っています。しゃぼんだま、と読みます。

NIKKOR Z 35mm f/1.8 S と NIKKOR Z 50mm f/1.8 S と NIKKOR Z 85mm f/1.8 S はちょうどいい感じの高性能単焦点レンズ

ニコンZマウントにシステム変更した際に S-Line の f/1.8 単焦点レンズである NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, NIKKOR Z 50mm f/1.8 S, NIKKOR Z 85mm f/1.8 S の三本を一気に揃える、ということをしました。

そしてこの三本の単焦点レンズの存在が Z へのマウント移行を決めた理由で最も上位に来る理由でした。

マウント移行から10カ月経ち、いろいろなシチュエーションでの撮影経験を積むことでこの三本が期待以上の働きをしてくれるレンズだということが実感できましたので、自分の考えの整理と他の人へのおススメを兼ねてレビューっぽい記事を書き記したいと思います。

高い解像性能

レンズ名に "海外の評価" をつけて検索すると、「とるなら」さんが翻訳された海外レビューを見つけることが出来ますが、三本ともシグマの名高い一眼レフ用単焦点レンズ Art DG HSM シリーズの単焦点に匹敵する解像性能であるというようなことが言われていますね。(開放F値は違いますが)

高画素機である Z7II, Z7 に対しても "Highly Recommended" だそうです。

Kyoto Kiyomizudera Temple in Rain

頭から他の人の評価の引用になってしまいましたが私が 2400 万画素の Z6 で撮る範囲では絵が甘いと思うようなことは全くないですね。中央は開放から高性能ですし、F4~F5.6まで絞れば四隅までパキパキ写ります。下は F1.8 の開放で撮りました。

Winter Twilight

奥行きを感じられるボケ

Kyoto Kiyomizudera Temple in Rain

私はボケ味をとやかくいえるほどの見識を持ってはいないのですが、どのレンズで撮っても「フォーカス面からの距離が離れるにつれてボケ量も安定してなだらかに増えていくので被写体との距離関係が写真の中にちゃんと表現される」というのは実感しています。構図を成立させるための機能としてボケがちゃんと仕事をしている、という感じ。

当たり前のことを書いているように思われるかもしれないですけど、私が今まで使ってきた単焦点レンズのすべてでこれが出来ていたわけではないですね。

Flower

逆光への強い耐性

Winter Walkway

いろんなメーカーのレンズを使ってきましたがニコンの逆光耐性へのこだわりは頭一つ飛びぬけている気がします。結構光源を視野に入れて撮る方なのですが、この三本についてはフレア、ゴーストはかなり少なく、出るとしても光源周辺にとどまって見苦しくならないようになっていると思います。

撮影倍率はそこそこだけどフォーカス面の距離に依らず性能が安定

雨の鴨川 14

最近いろんなメーカーが近接撮影にこだわったレンズを出している中でいうと、この三本については撮影倍率は決して高くないです。

ですが、フォーカス面の距離に対する性能が安定しているので、最近接付近でもとくに緩くなるようなこともありません。先述のボケが綺麗、というのを活かして背景を整理すれば花を撮ることもできるレンズです。

Flower

35mm と 85mm についてはマルチフォーカス方式を採用しているのが効いているのだと思います。50mm についてはマルチフォーカス方式ではないですが、距離に対する性能に違いを大きく感じるようなことはありません。

フルサイズ用で1.8というちょうどいい開放F値

F1.4 や F1.2 じゃねーのかよ!という声もあるみたいですけど、F1.8とF1.4, F1.2 との段数差は 2/3 ~ 1 段程度。露出の観点でいえば、最近のカメラの高感度性能や手振れ補正で埋め合わせが効くレベル。F2.8 のズームとの差異は 4/3 段で、あえてズームではなくて単焦点を選ぶ意味は十分ある明るさ。これがF2.5ぐらいだと話が変わってくると思います。

大石神社の桜ライトアップ 1

露出の観点では十分明るいので、関心はボケ量にあると思いますが、フルサイズでF1.8だと同一画角のAPS-Cだと理論的にはF1.2と同等、同一画角のマイクロフォーサーズだとF0.95と同等、あえてフルサイズで撮る意味があるぐらいのボケ量は確保しています。

先述のとおり「フォーカス面からの距離が離れるにつれてボケ量も安定してなだらかに増えていく」ので被写体との距離を表現するぐらいには十分ボケはあります。むしろ絞ることの方が多いぐらい。

知恩院黒門前の陽光桜 8

最終的には好みの話であるとは思いますが、私にはフルサイズの F1.8 で十分明るいです。

雨、雪でも安心して撮影できる防塵防滴への配慮

Kyoto Shoren-in Temple in Rain

防塵防滴への配慮があり、雨や雪の日の撮影にも持ち出せます。私は雨の日の撮影が好きなので重要ですね。 

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MF 専用じゃなくて AF が使える

今どきのレンズは AF が使えて当たり前と思われる方もいらっしゃるかもしれないですが、高性能レンズには MF のものもあるので挙げてみました。MF だとフォーカスリングの操作が必要になり、雨の日に傘をさして撮影ができないのが個人的には問題です。

両手で支えなくても片手でも構えられるぐらいの軽さ

この三本はいわゆる小型軽量なレンズというわけではないですが、ニコン機のボディ側のグリップが優れていることも貢献してか、左手を添えなくても片手でフレーミングできる程度には軽いです。

フロントヘビーで両手持ちが必要なレンズだと雨の日に傘をさして撮影をするのは難しいですね。片手で持てるというのは構図の自由度にも影響してくる重要なポイントです。

実は過去にニコンFマウントのデジタル一眼レフを使っていた時に、嫌気がさして使うのを止めてしまった理由の一つがこの「フロントヘビーで要両手持ち」問題でした。(具体的には AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR でした。)

時が過ぎてニコンのミラーレスに戻ってきた大きな理由の一つが「フロントヘビーではない」 だったりするので、Zマウントでもフロントヘビーなレンズはたぶんこれからも手を出さないと思います。

2020年12月 雨の朝の先斗町

重さだけでなくても長さについてもこの三本は長さがそろっていてカメラバッグへの収納もしやすいです。

アンダー10万円で買える

三本とも決して安くないレンズですが、実売で10万円を超えていないのはありがたいです。

いいレンズだったら奮発してもいいんじゃないか、という考え方もあると思うのですが、単焦点レンズは結局複数の焦点距離のものを買うことになるので、同質のものを揃えようとすると価格帯の高さは二倍、三倍…とお財布に響いてくることになります。

安けりゃ安いほどいいでしょ、というのもちょっと違っていて、機能や性能が足りない安価なものを手に入れて後で高額なものを買い足すことになるのなら、トータルでは高くつきます。同じ焦点距離単焦点レンズを何本持ってても撮影で同時に使えるのは一本ですから、多少安いものより必要な機能や性能を備えたものを選んだ方がよいです。

この三本は撮影に対して重要な機能を一通りカバーしてこのお値段なので、とてもお買い得だと思います。

35mm/50mm/85mmという王道の焦点距離刻み

これも一見当たり前に見える話ですが、これまでの経験から結構重要なことだと思っています。

私は35mm版換算で 28mm, 30mm, 42mm, 52.5mm, 58mm, 60mm, 75mm などの準王道?の画角のレンズで撮ったこともあります。これはこれで面白く撮影を楽しめるのですが、画角への慣れというのはどうしてもあるので、単焦点レンズを持つならいろんなカメラシステムで王道とされている慣れた焦点距離にしておいた方が撮影のテンポは良くなります。まったく慣れの無い白紙の状態から撮り始めるなら、どんな画角でもいいかもしれないですが。

あと、複数の単焦点レンズを揃えていこうとしたときに、使い分けに意味がある程度には焦点距離を離した方がいいですし、カバーできない範囲が生まれない程度には、焦点距離は近づけた方がよいです。中途半端な焦点距離のレンズを一つ入れてしまうとこの辺のコンビネーションが崩れてしまったりします。35mm/50mm/85mm はそれぞれちょうどいいぐらいの守備範囲をカバーしてくれる刻みかたです。

絶対!というようなものでは全然ないですが諸々考えて王道の 35mm/50mm/85mm で揃えてしまうと安心です。

他のマウントには無いいい感じの選択肢

いろいろ細かい話を挙げてみましたが、これらを一通りカバーしているレンズラインナップを持つのはたぶんニコンのZマウントだけだと思います。マウントの内径の大きさとフランジバックの短さとニコンのレンズ設計力の高さで達成されているのだと思うのですが光学の専門家ではないので細かいことは分からないです。

2021年5月22日時点では、他社だと「シグマの Art DG HSM 並みの性能」「奥行きを感じられるボケ」「防塵防滴」「アンダー10万円」「MF 専用じゃなくて AF が使える」「両手で支えなくても片手でも構えられるぐらいの軽さ」「フルサイズF1.8のボケ量」「35mm/50mm/85mmという王道の焦点距離刻み」のどれか一つ以上は諦めることになるはずです。

細かすぎて共感してもらえる人がどれくらいいるのかちょっと分からないですが、なるほどこれはいい!と思った方はニコンZを使い始めるとハッピーになれると思います。

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Nikon 単焦点レンズ NIKKOR Z 85mm f/1.8S Zマウント フルサイズ対応 Sライン

Nikon 単焦点レンズ NIKKOR Z 85mm f/1.8S Zマウント フルサイズ対応 Sライン

  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

Nikon 単焦点レンズ NIKKOR Z 50mm f/1.8S Zマウント フルサイズ対応 Sライン

Nikon 単焦点レンズ NIKKOR Z 50mm f/1.8S Zマウント フルサイズ対応 Sライン

  • 発売日: 2018/12/07
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

 

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